魔王様のお勉強

魔王様のお勉強

 

 

―――アナタは、俺の可愛い魔王陛下。

 

 

「陛下、失礼いたします」

扉を開けて入ってきたのは、前魔王陛下の次男ウェラー卿コンラートだった。

今は、俺、渋谷有利が魔王になるための勉強をする時間。いつもなら王佐であり教育係であるギュンターが来るはずなのにどうして今日はコンラッドなんだろう?

何で?という視線で見つめるとコンラッドは今日は俺が先生ですよ、と笑う。いつもどおりのさわやかな笑みで。

「コンラッドが?何の授業すんの、コンラッドだと体育とかそんな感じがするんだけど」

俺はそう呟くとコンラッドはちょっと違うな、と呟く。

コンラッドが先生ってなんかしっくりこないなぁ、あんまり先生という感じがしないしね。

その間にもコンラッドは俺が座っている机の向かいに座ると俺が教えるのは・・・と話し出した。

「房事、の授業です」

房事?なんだそりゃ?俺は頭の中の辞書で房事を検索してみたけどそんな言葉は乗っていない。帽子、防止、亡児・・・?

「何?房事って」

俺がコンラッドに尋ねると彼はいつもと変わらない笑みをする。

ん?なんか正直どす黒いオーラが出ている気がするようなしないような・・・。とにかく、一体房事というものがなんなのか知りたくてコンラッドの言葉に耳を傾ける。

「そうですね・・・まぁやりながらどんなものか覚えていってください」

「はぁ?」

具体的な説明もないのか。

まぁ、日本と文化が違うわけだし説明しずらいこととかもあるよな!郷に入っては郷に従えだ、ひとまずその授業を受けてみよう。

のどかな昼下がり、外からは兵士の声が聞こえた。知らない世界にきてまで勉強かぁ・・・でも、立派な魔王になるためだ、仕方がない。

「じゃあ、授業を始めますか」

コンラッドの言葉に俺はうん、と頷く。教科書は一体何が必要なんだろう・・・体育がちょっと違うなら保健体育とか?ここまで来て身体の仕組みとかやるものどうかと思うし、この国なら赤ちゃんは骨飛族がつれてくるとか信じられてそうだし。

まぁ、ちょっと興味がないこともないけど。

俺が一人そんな想像をしているとコンラッドががたりといすを立ち上がる。何をするのかと思えば俺のほうに歩いてきて後ろからいきなり俺を抱きしめたんだ。

ちょっと待てコンラッド!!

「な、な、いきなりなんですか!コンラッドさん!!」

俺があわてて言うとコンラッドはさわやかに笑ってそれでは授業を始めます、と何のリアクションもなく言った。

一体何の授業を始めるわけ!?

と、その間にも何故かコンラッドは俺のこの学ランに似たこの服のベルトをはずしている。授業中にすることじゃないし、第一まだ真昼間だし。・・・もちろん夜ならいいというわけでは断じてない。

「なにしてんの?!」

叫ぶ言葉にかえつてくるのはやはり落ち着いた声での返事。それにしても、いきなり人の服を脱がせて授業ですよ、と微笑むのはおかしい。

俺が戸惑って抵抗を忘れている間にコンラッドは俺のズボンからまだ何の兆しもないおれ自身を取り出したんだ。

「ちょっ!!なにすんだよ!!」

いすから立とうとしてもコンラッドの腕がしっかりと押さえているので立ち上がれない。コンラッドの手が俺の右腕をつかむとそのままおれ自身を握らせた。

「じゃあ俺が教えるとおりにしてくださいね」

教えるとおりって一体なに!?というか、授業ってこんなことするもんだったっけ?

俺の手の上から、コンラッドがおれ自身を扱き始める。

おいおいおい!!!

自分の手でしたってそんなに気持ちよくなれない、だけどコンラッドが見つめるから。

「っぁ・・・!」

いきなり口をついた声に口をつぐむ。恥かしい、とにかくどうにもならないぐらい。

「お上手ですよ、陛下」

相変わらずコンラッドの声はいつもどおり優しくて。そんな声でそんな風に言われると流されてしまう。

「陛下と呼ぶな・・・っ!名付け・・親っ!」

必死に言い返す。流されるわけにはいかない、いきなりこんなことをした理由を問いたださなくては。

外から相変わらず城の人たちの声がする。勉強中にこんなことしているのばれたら絶対怒られるよ!というか、ばれたらどうするんだ!!

「コンラッドォ・・・っ!」

「今は先生、と呼んでください」

首を後ろに向けてにらみつけると、コンラッドは何も気にしないような口調で言う。絶対コンラッドは俺が困っているのをみて楽しんでいるに違いない!その証拠に口元が歪んでやがる!!ちくしょーーー!!

先生なんて呼べるか!

房事っていったいなんなんだよ、明らかにもう授業じゃないことしているし。

俺は、ただコンラッドには逆らえないまま自らの手で果てた。

「馬鹿!!何てことすんだよ・・・!」

恥かしくて怒鳴ることしかできない俺はただそう叫ぶ。正直コンラッドの見ている前で自分の手でイってしまったというのが恥かしくて恥かしくてどうしようもないからだ。たとえ、コンラッドにやらされていたとしても。

何度もの俺の質問にコンラッドは変わらず授業だといつてるでしょう、と笑うのだ。

学校にこんな授業あったら先生たちみんなセクシャルハラスメントで逮捕されてしまう。普通に考えておかしいじゃないか。

「房事っていったいなんなんだよ?」

黙ったまま俺が放ったものを始末しているコンラッドを見て頬が熱くなるのを感じながら俺は言う。授業だとそこまで言い張るなら、何の授業か聞かなくては。

「房事・・・貴方の世界の辞書には『夫婦間の合体』と記してありましたよ」

「はぁ?」

夫婦間の合体。

というのはまさか、身体の合体ですか。

「そんなの授業じゃないじゃん!愛の営みじゃん!!」

あわてて答える俺にコンラッドは確かにそうですが、と呟く。それとも、眞魔国では普通に授業として学校でやってるのかな・・・。セクハラ教師を公認とする国なんて、あんまりだ。早くギュンターに言って取りやめてもらわないと・・・!

「ユーリ、これは魔王陛下のための特別授業ですから一般市民は受けませんよ」

俺の考えていることが分かったのかコンラッドはクスリと笑いながら言う。

「ああよかった、セクハラ教師はいないのね!」

納得している場合ではないのだ。

ここにいる、ウェラー卿コンラートこそがまさにセクハラ教師である。なんで俺だけ特別にこんな変な授業を受けなきゃならないの!

コンラッドは今日はここまでにしましょう、と微笑みながら俺の向かいのいすに腰掛けた。優雅に微笑むのでさっきあんなに恥かしいことをした後とは思えない。

「何で俺が受けなきゃなんないの?!」

不満を丸出しにしてたずねるとコンラッドは苦笑しながら答える。

「魔王陛下で仰せられる限り、ご自分での性欲処理が必要となります。もし、何かの過ちで孕ませてしまったりすると後々大変でしょう?そのために、こういった授業があるのです」

コンラッドの言っていることは確かに間違っていない。

間違いないけどこんな・・・こんな授業ってありかよ!!

でも、もう終わってしまったことにいちいち腹をたてるのもあまりいいことではないしもういいやと思って机に突っ伏すとコンラッドはくすくす笑っていう。

「そんなにお恥ずかしかったですか?」

確かに、コンラッドとは恋人同士でいつもはもっとすごいことをしているといってもやはりこんな授業とかいいながらする趣味はない。

マンネリ化?男同士である自分たちは、というか俺は、あきるよりも先になれることが必要なのに。

「恥ずかしいに決まってるだろ!」

もう声が涙混じりだ。まったく、どうしていきなりこんな授業が始まったのか。さてどうしてコンラッドが教師なのか。

さっぱり分からないまま、ユーリはただ呆然とコンラッドの次の台詞を聞くだけだった。

「では、明日から本格的な授業に入りますので今日の復習、忘れないでくださいね?」

さわやかに微笑むコンラッドの目は・・・ぜんぜんさわやかなんかじゃない。間違いない、あれは獣の目だ・・・!

復習なんてするかと、大声で叫んでやろうと思ったけどコンラッドは笑顔で部屋を出て行ってしまう。

本当に明日もまたこんな授業をするの・・・?

俺は珍しくはやく地球に帰りたいと本気で思った。

 

 

「なぁ、ギュンター閣下が行方不明という話聞いたか?」

ダカスコスは上司の行方不明を不審に思う。しかも、今日から閣下が一番楽しみにしていた授業じゃなかっただろうか・・・?

「ああ、聞いた聞いた!どうしたんだろうな・・・また陛下の部屋にでも隠れてこっそり・・・」

こっそり、待ち受けていたり。

日常茶飯事なことではあるがそろそろ驚いた陛下が閣下に対して悲鳴をあげてもいいころなのだが。

閣下、どこ行ってしまったんだろうなぁ?

まぁ、授業はかわりにコンラッド閣下が引き受けてくれると笑顔で言ってくれたし問題はないのだけど。

 

 

                                  To be continued…?

 

 

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感謝の気持ちをこめて、お礼小説なぞをかいてみたのですが・・・なんだこのいかれた話は!!えと、もうお気づきの方も多いと思いまずが松本テマリ先生の漫画のパクリです()

べたなパクリねたがやりたくてたどり着いた先は結局こんなものに・・・。本当に申し訳ありません、すみませんすみません、なんといってわびればよいものか・・・!!!orzしかも続きます、2000まわったときにでも続きは・・・()

とりあえず、お礼小説なんでフリーにします。著作権は安西ハジメにございますけど、どぞ、気軽にお持ち帰りください(こんな話誰も持って帰らないって)