希望さえも思い出せない−2 男のものだと思われる大きいシャツは完全にずりおち、元より下着とズボンは着用してなかったから裸と言う状態。同じ男に裸をみられることなんてどうでもいいと思っていたがいまこの場面だと酷く恥ずかしいことのような気がした。何とかシャツの前を握り締めどうにか脱げないようにしていると男のてがシャツの裾から中に滑り込まされたことにユーリは気付く。 冷たい手で腹部をなで回されてユーリはただ黒い瞳をぎゅっととじて不快感から逃れようとした。 もう、涙がこぼれてくる。 よく分からない知らない所で知らない男に体をまさぐられているなんて。そしてユーリ自身自分がいったい何者で何をしていたか一切の記憶がないのに。 それを考えたときから自分が記憶を失ったと言うことに酷い恐怖を感じ始める。いったい自分は何なのか… だが、そんなことを考える余裕は男に奪い取られてしまう。男の手がユーリの胸に触れたからだ。 男なら感じるとは思えないはずの胸のとがり。指がなでた瞬間に体がびくりとベッドの上を跳ねた。 「んっ!」 口をついて溢れる声。何とか閉ざしたくてユーリは唇をきっとむすんだ。 ユーリはここを触られる感覚をしっていて。でもそれがいったい自分に何をもたらすかなんて理解できなくてただ体の反応を押さえるだけ。男に対して屈したくなかったのとこのまま流されてしまったらいったいじぶんがどうなってしまうか、検討もつかなくて酷く怖かったから。 ただなんの感情もないように男の手はユーリに執拗な愛撫を加えるだけ。ユーリの目を透明の涙が伝った。 絶対なきたくなんかなかったのに。 しかし、そんなことでは男の愛撫のては止まらない。自分でも固くなっていると感じることができる乳首をこね回されてユーリは酷く抵抗をした。 振り回したてが男の頭を手加減なしに殴りつけてしまい、ユーリは何だか酷く申し訳ない気分になったが男は全く臆したようすはなく、更に残酷な笑みを浮かべて耳元で囁いた。 「暴れないでください…」 敬語が優しいはずなのにどこかそこびえする声。その直後シャツの前をあわせていた手がはらわれて乱暴にシャツが脱がされる。抵抗しようとしたが酷い頭痛に襲われてめまいがしてそれは叶わなかった。 そのままぬがしたシャツでユーリの手をまとめると縛ってしまう。後ろ手で縛られたため無理な体制でいるととてもく肩が痛む。 わけが分からなくて、でもなんだか悔しくて男をにらみつければ余裕の笑み。 そんな瞬間もつかの間、横に倒されているような状態のユーリに体重をかけないようにのしかかってくると男は武骨な手であまり兆しのないユーリ自身を握った。 「っあ…!」 こぼれたのは自分のものとは思えないあまったるい声。いますぐ口を塞いでしまいたかったが、手が縛られてうまくいかない。なんとか枕に顔を押し付ければ涙で濡れて気持悪い。 男の手はゆるゆるとユーリ自身を扱き始め、そのたびにユーリにとって耐えがたい快感が鬩ぎ溢れた。 「や…だっ!」 足を閉じ併せようとも、足の間に全く服すら乱れてもいない男がいるから出来ずに。 徐々にユーリ自身は男に触られることで首をもたげはじめている。 だがユーリはそんなこと信じたくなかった。手が駄目なら足で、とあいかわらず抵抗を繰り返してみてもあっさりこの男に阻まれてしまう。一切の反抗は認められないとでもいうように。 ユーリは浅ましいからだの反応に何度も首をふる。 知らない男にこんなところをなでくりまわされて、勃たせている自分は狂ってるとさえ思った。 男はそんなユーリの反応をどうとらえたかはわからない。ただなんだか暗い顔をしているのが見えたような気さえする。 追い上げられる快感にどっと涙が溢れでる。嗚咽さえ止まずに絶えず嬌声とともに溢れでている。 「やめ…っ!」 男の指の感触がダイレクトに脳まで届く感じがした。 やめてほしくて、どうしようもなくて。でも男に触られることになんの抵抗も示さない自分。失われた記憶のなかにはいったい何がはいっているのか。それを知る事さえ怖くなってしまう。 信じたくない。 信じたくない。 くちゃぐちゃと淫猥な音が部屋十に響きわたるようなきさえして目も耳も塞いでしまいたい衝動に駆られる。 「っ…ぅ…」 随分巧みな技で男は自分を登りつめさせようとしてくる。それはまるで、ユーリの弱いところを全てしり尽しているような、そんな雰囲気だってしてしまう。 だが、ユーリはもう快感への恐れと悔しさ、恥ずかしさにまみれて熱い涙を溢し続けるだけ。口をつくのは息の詰まる音と、やめろという反抗の声。 たえまない攻めにただ息を荒くする以外ユーリにできることはなく。ただ男は無言のまま体勢をかえてユーリ自身にキスをする。そして、熱い口中にそれを導いた。 「んやぁっ!」 一際大きい声をあげるとユーリは体をよじり男から逃れようとしたが、がっしりと腰を固定されそれは叶わない。目の前が白くなり、目を開けてもいられないほどの快感。 足をばたつかせたくても力は抜け、思うように体が動かない。 もう、限界だった。 「っぁ………ッ!」 声にならないような悲鳴をあげてユーリは達する。かたでいきをしながら涙に濡れた瞳で男に視線をあわせても男は無表情のまま。 それが堪らなく怖くてユーリはなんとしても男からにげようとおもった。だが、さっきからどんどんひどくなる頭痛に思考が少しずつ侵食されていく。 頭に鈍い痛みを感じながらもユーリはいきなり男が自分でも触らないような所を濡れた手で触れたことに体を跳ねさせる。 「なにしてんだよっ…!」 気持悪い。 しかし、何処となくへんなかんじがする。 なんと表現したらいいか分からないような感覚にユーリは抵抗するだけの体力はつきかけていた。そしてなにより、頭がいたい。 「ひっ…!」 突然そこにつきたてられた男のぶこつな指。しなやかなのに酷く固い。何だか奇妙な記憶とのリンク。 自分はこの感じをしっている…? もう、ユーリは頭を投げ出したまま溢れるなみだをそのままに声だけをこらえた。頭がどうしようもないほどいたかったからだ。 「あんた…誰なんだよ…っ」 なんとか呟いた言葉。叫んだせいでかすれてはいたがはっきりとしている。男は無表情を少しだけ崩した。が、それっきり何もいわないしましてや何の変化も見られない。 「俺と…ど…んな関係なんだ…?」 部屋中に響く紛れもなく自分が立てている湿った音。痛みはなく少しの不快感だけがユーリを支配し始める。そして、奥を擦られることに対して起こる絶大な快感。 おかしい、絶対に。 ユーリは自分がどうしてこうも男に愛撫されることに懐かしさと快感を覚えるのか。そしてなにより、どうして自分の体はすんなりと男の指を受け入れてしまうのか。 「関係なんてありませんよ」 男ははっきりといった。涙で霞んで男の顔はよく見えない、だけどどうせ笑っているに違いない。 「ただ…俺は貴方を拾った。どうしようと俺の勝手でしょう?」 男の手は休むことなくユーリの中を溶かそうと蠢いている。もう、指が三本ユーリの中に埋め込まれていた。 「っ…そんなのっ…」 助けてもらったけどもそれはあんまりだった。しかし、他に頼る人もできず自分はこの男に従うしかないのか…? いったい自分は何をしてしまったのだろう。ユーリの知っている世界の常識は他人の所持物にひとがなることなどありえなかったのに。 「貴方は俺のものっていうことですよ…」 そのことばとともに引き抜かれた指。体のなかで存在感を誇っていたものの喪失感に眉をひそめるユーリ。 だが、その瞬間ユーリ黒い瞳は大きく見開かれ、固く閉ざされていたはずの口からは悲鳴とも取れる嬌声が発せられた。 「っああぁ!」 なんの予告もなく、男の熱い自身をねじこまれて。限界まで開かされた内部は痛みをうったえている。もうこれ以上は出ないと思っていた涙は勢いを増して流れ落ちる。頭の痛みはいまだに根強く蔓延ったまま、体の自由を奪うばかり。 いつの間にか手の戒めをとかれていたが、ユーリは全く気付かず必死に白くなった指でシーツを握り締めた。 熱い熱い男のものは痛みと共に大きな快感をユーリに与える。だが、ユーリがそれを快感ととらえるにはまだまだ状況の理解が足りなすぎて。 「俺の・・・名前を知りたいん・・・ですか・・・?」 男のものが引き抜かれて、また奥まで打たれる。その合間に耳に届いたかすれたこえ。ユーリは目も眩む感覚に悲鳴をあげるだけだったが男の言っていることは理解できる。ユーリが必死に首を縦にふろうとしたとき、男の方がまた話だした。 「俺の名前は…コンラッドです」 耳に響く声。痛む頭をくらむ意識でふるかどうさせたが全く思い当たらない。そしてさらに酷くなる頭痛。意識さえいつとぶかわからなかったが、ユーリはうわ言のように何度も呟く。 「そんな…なま…え知らないっ…知らないっ…」 すすりなきながら呟くそれはまるで謝罪のように。ユーリは目をおおいながら何度も何度もいうのだ。 コンラッドの動きが少し遅くなったような気がした。コンラッドの顔は分からなかった、いやなによりユーリがみようとしなかったから。 「ぅ…ああ…」 ぐちぐちと響くは男との接合を物語る音。ユーリは泣きじゃくりながらすがるものを探して細い手をシーツの上さ迷わせる。 無意識とはいえ、男はユーリの手を導いてやるつもりなどないようにひときわ強くやわらかい肌をつかんで強く打つ。ユーリはがくがくと体を震わしたまま半開きになった唇から唾液を溢すだけ。 「ひぁっ…っん…!」 一度放ったはずのユーリ自身は既に形をかえ先走りをとろとろと溢している。コンラッドが腰を打ち込むたびにユーリの足先はびくりと反応し、所在なくうろつく。 大きなてんがい付きのベッドは微かにき色紙と歪んだ音を立てながらも悠々と二人の体重を支えている。 ユーリはもう意識さえ失いそうになっていた。コンラッドが与える衝撃はユーリを快感の渦へと誘うだけ。 「あぁ…こ、コンラッドォ…!」 名を大声で叫びながら、ユーリは自身の解放とともに意識を手放した。 そこにコンラッドの熱い白濁液が注ぎこまれたことには気づかないまま・・・。 END? 鬼畜調教、高貴な人を陵辱する。 私の萌えツボらしい。。。気分を害された方、ごめんなさい。この先もこんなんが続きます。 |