03

03:早く大人になりたいと、どうして思っていられたのだろう。

 

 

月日が早く流れてしまったら悲しくなるのにな…。

 

「コンラッド」

俺はふと思い付いたことがかって隣を走る、コンラッドを呼ぶ。今は眞魔国にいても体がなまらないようにするためにロードワークの真っ最中だ。

毎日それに付き合ってくれるコンラッドは正真正銘俺の恋人。

俺と一緒にどれだけ長い距離を走っても息をきらさないものすごい軍人でもある。

「なんですか?ユーリ」

もう随分走ったつもりだったがほらやっぱり全くいつもと変わらない優しい声。

俺もその軍人になるための訓練を受けたらもっと色々なものに強くなるだろうか、野球の腕もあがるだろうか。

「ねぇ、大人になるってどういうこと?」

コンラッドはもう100歳ぐらい。大人のなかの大人といったかんじだ。

まだ15歳である俺にとって大人なんてものはまだ遠いもので。

「大人…ですか。なぜまた急に?」

コンラッドはにっこりと微笑みながら答えをかえしてくれた。

「なんかさ、昔大人になりたいなんて思ってたからさ…今更何でそんなこと考えたかわからなくなって」

大人になったらテスト受けなくてよくなってお金はある程度使い方だい、エッチなものもかえるようになり、せがのびて大きくなっている。…最後のは多分、だけど。

だけど、コンラッドたちはみんなあんまりとしをとらないから俺は一人で老けていくんだ…そう考えると酷く悲しくなる。だったら大人になんかなりたくない。

「それは肉体的にですか?精神的にですか?」

疲れたと浜辺に座っている俺の横にゆっくりと腰掛けながら問うコンラッド。

もちろん、どっちも大人であることを望んでいた。だから、答えに両方といって日の光りにきらきらとまぶしい海を見つめる。

コンラッドは小さくわらってからあえて大人と言う境界線などないですよ、と。

「俺もまだまだ自分が子供だと思うときはありますしね」

「嘘だ〜!」

コンラッドは俺に気を使ってそんなことをいってるんだ。

コンラッドが子供?信じられない、何もかも凄くてなんでも知ってて背も高くて体もよく鍛えられた大人のそれ。

信じられない、とにかく信じられない。

「嘘じゃないですよ、ユーリのことをはなしたくなくてどうしようかと思っている俺はまだまだ子供です」

その一言で俺は真っ赤になる。どうしてこの人はこんな恥ずかしいセリフをいともかんたんに吐けるのか。

でも確かに、朝とか仕度しようとしてベッドからでようとする俺をはなさないであと少しだけっていうコンラッドは子供っぽいかもしれない。

って、俺は何て事考えてるんだ!!

「ユーリ、それに貴方ももう立派な大人だ」

自信たっぷりにいうコンラッドに俺は何で、とといかける。

コンラッドはすっくりとたちあがってクスリと笑いながら言った。

「俺をあんなに誘えるんですから、子供じゃありませんよ」

は?

最初は意味が分からなくてにこにこしているコンラッドの顔を眺めてばかりだったがやがて意味を理解した俺は顔を真っ赤にしてもう既に出発したコンラッドに馬鹿と叫びながら走るだけ。

追いつけなくて、浜辺の道をがむしゃらに疾走した。

 

 

ばかなことして、でもそれがみんな楽しくくって。

いつかは悲しいときとかがきてしまうかもしれないけど、今はとにかくこのままで。

 

 

END

 

 

大人になりたいと、私は切に願ってました。いまだに、小学生に間違えられるんです・・・!()