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: 常しえに、長しえに、二人の時間が続くよう。 いつまでも共にいようなど、そんな陳腐な約束果たせそうにない。 だけど、俺は一生それを願っているんです。貴方の傍でいつか果てることを。 空は、赤く燃える。 森の中から出ると、切り立ったがけ。ここからはとてもよく夕日が見えるのでロードワークのたびにユーリをつれてきてはここに座り込んで話をしたりしていた。 今日も、その例外ではなく座り込んだまま他愛ない野球の話などをしている。微笑んだ顔が好きだと、いつも思いながらユーリを見つめているとこっちまでうれしくなってしまう。 「ユーリ、幸せですか?」 たずねるとユーリは驚いたようになんだよ急に、と夕日を見ていた眼を俺に向ける。俺の意図が分からなくて困惑したような顔はしていたが、質問の答えへの迷いなど感じられない瞳。いつもは黒だが、夕日に染められて少し赤みがかかっている。 「もちろん」 自信気に答えるユーリはひどく愛らしい。 すぐにあんたはどうなの?と笑いかけてくるから俺も即答するしかない。もちろん幸せですよ、と。 「貴方がいるだけで俺は幸せです」 そういってそっと抱きしめれば顔を赤くして黙って従う。そんな姿に、俺は顔が赤いですよ、といってみるとユーリはますます顔を赤くする。言葉にならないような叫びが聞こえてそのあと言い訳じみた返答が帰ってきた。 「ゆ、夕日に当たってるから赤いに決まってるだろ〜!」 その声に俺ははいはい、と返事をするとますますユーリは声を荒げて信じてないだろ!と叫ぶ。 可愛い。 本当に可愛い。 まだ何かいおうしているユーリをこちらに向けると俺は口をふさぐようにユーリにキスをした。ユーリは驚いたみたいだったけども、舌を入れればおとなしく従う。 そっと髪をなでてから口を離すとユーリはとろんとした目をしたまま馬鹿、と呟いた。 「ずっと、一緒にいれば・・・ずっと幸せだよな・・・」 小さくユーリがいうのが聞こえて。俺はたまらなくなってそのまま強くユーリを抱きしめて目を閉じる。 ずっと一緒にいられる保証なんてないけども、とにかく今はそれにすがっていたいだけ。 それでも、俺は何があってもこの手を離したくないのだ。 それが、眞魔王のご意思だとしても。立場上、難しいとしても。 「ああ、もちろん・・・ずっと幸せですよ」 ユーリはそっと抱き返してくれた。 もりがさわさわと静かにゆれて、夕日は山の向こうへと姿を隠してゆく。俺たちは立ち上がり血盟城に向かってまた走り出す。 いつまでも、このときが続きますように。 END ちんぷ、という響きがやらしい(ちんがつけばやらしいと思う安西・・・) |